2025「SUBARU V&V安全運転推進研修」第1日目レポート
2025.09.05

自動車業界にとって悲願の「インジュアードゼロ」、即ち交通死傷者ゼロの実現に向け、具体的に何が必要なのでしょうか?
ひとつはより安全かつ先進的な交通インフラを構築すること。そしてそのインフラを最大限に活用するとともに、それ単体でも極めて高い安全性をもつ先進安全システムを自動車に装備すること。そして私たち一人ひとりが交通安全に対して高い意識を持って取り組むことが必須です。
こうした現状において、「インジュアードゼロ」という究極の目標へ向かって先進安全システムを国内でいち早く展開し、一般化に大きく貢献したのが、富士重工業(現在のスバル)が開発した「アイサイト」であることは、皆様ご存知の通りです。この事実一つをとっても、スバルが安全に対して極めて高い意識を持っていることが窺えます。その意識の源の一端を垣間見るべく、スバル本社で開催されている安全運転研修会を取材してまいりました。
この研修会は、「PROJECT V&V安全運転推進研修」と銘打たれ、株式会社スポーツドライビングジャパン(以下、SDJ)が主宰しています。SDJは、交通事故をなくすための取り組みを体系的に言語化し、自動車メーカーに特化したローカライズを施したスペシャルプログラムを提供しています。スバルでのこの研修は2017年からスタートし、2025年には8シーズン目を迎える息の長い取り組みとなっています。「V&V」という名称には、後述するように「Vision & Voice」という深い意味が込められています。
研修カリキュラムは、半日から1日かけて実施され、1シーズンを通して全4回にわたって行われます。今回は、第1日目の様子をレポートしましょう。

研修の冒頭では、SDJの講師である吉井氏から、「PROJECT V&V安全運転推進研修」の目的と意義、そして具体的な取り組みについて、約100名の受講者に向けて詳しく説明されました。受講者はスバル入社2年目のエンジニアの方々で、彼らが今後のスバルの安全技術を支えていくことになります。
吉井氏からの概要説明の後には、SDJドライビングスクールで校長を務める太田哲也氏が登壇され、ご自身が実際にアクシデントに見舞われた際の実体験について、非常に重い言葉で語られました。太田校長の生々しい体験談は、受講者一人ひとりの心に深く響いたことと思います。
その体験談を通じて、交通安全に対する意識改革の重要性、そして安全運転に不可欠なもの、すなわち「Vision=安全運転に対するあるべき姿」について講義が行われました。受講者はこの講義の内容を踏まえ、「Voice=受講者自身が各自の理解度や、実際にどのように行動が変わったのか」を記述する時間を持ちました。
その後、受講者はグループごとに活発なディスカッションを行い、各自の記述内容をさらに深めていきました。受講者が交通安全に関する理解をより一層深めていくことが、「PROJECT V&V安全運転推進研修」の骨子となっています。研修会では、講師と受講生の間で質疑応答とともに意見交換がなされました。
交通安全意識の重要性と、それを最新のテクノロジーで実現していくことの意義を力強く語りかけるこの研修は、スバルの未来を担うべき若きエンジニアたちの心に、深く、そして大きく響いたことでしょう。
この研修の様子をさらに深く掘り下げ、引き続き2回目から4回目までの研修会についてもレポートしていく予定です。スバルの安全への情熱が、次世代のエンジニアたちにどのように受け継がれていくのか、どうぞご期待ください。
(レポート:甲斐貴之)