講師コラム(第6回):建設業の交通労働災害
2019.09.19
企業にとって顧客の信用・信頼を得ることは、なにより重要ですね。しかし、たとえば「企業の社員が交通事故の加害者となってしまった」場合、どうでしょうか? 実はこれは、社員が被害者となってしまった場合に比べて深刻な状況です。顧客はその会社のことを「交通事故の加害者になった人のいる会社」と考えてしまいがちだからです。
それにより、長年築き上げた顧客の信用・信頼が一瞬にして失われる等といったことは避けたいものですね。
例年、厚生労働省が建設業界向けに「建設業の安全衛生対策の推進に係る留意事項」というものを通達しているのですが、その中に、「交通労働災害防止対策」があります。
建設業で「交通労働災害」というと、やや意外にも感じますが、その内容は、「建設業の死亡災害に占める交通事故の割合は近年増加しており、特に現場と事務所間の往復における死亡事故が過半数を占めていることから、事業者は「交通労働災害防止のためのガイドライン」(平成20年4月3日付基発第0403001号別添、平成30年6月1日最終改正)に基づく措置を適切に講じる。」というものです。事故の要因は、降雨・降雪によるスリップ、長距離の移動、夜勤明けや居眠り等で、スリップはスピードの出し過ぎが主な原因だそうです。こうした事故の中には、建設業の社員自身の死亡事故はもちろん、その社員が加害者になってしまった例も少なからず含まれているはずです。
考えてみると、これは建設業に限らず、どの業界にも言えることだと思います。事業者は、通勤や現場、事務所間の車利用における交通死亡事故を起こさないよう、十分に配慮なければなりませんね。
当社では、本コラムでもご説明した、「V&Vメソッド」を用いた「安全運転推進研修」によって、事業者様の交通死亡事故を無くすためのお取り組みをお手伝いしています。