2024年度の「SUBARU V&V 安全運転推進研修」をスタート

2024.08.29

安全運転の推進や事故防止には、ドライバ―である「人」の意識の向上が不可欠だと考えています。運転がラクになればなるほどドライバーの意識低下による漫然運転が増加しますので、今後、この内在的前方不注意は着実に増えるでしょう。そうなれば、これまで私たちが想定していなかったような事故も発生する可能性がでてきます。

「死亡交通事故ゼロ」の目標実現を2030年に設定しているスバルが、社会貢献活動の一環として「injured ZEROプロジェクト」に賛同し、同一の理念のもとで「SUBARU VV 安全運転推進研修」を展開、クルマの安全性向上と共に意識改革によって事故を減らすことの啓発に努めてくれています。

1ヶ月に1回のペースで行い、全4回となる「SUBARU VV 安全運転推進研修」は、校長である太田哲也氏が極限状態で経験してきたレーシングドライバーとしての知識や技能、大事故からの社会復帰という稀有な経験なども伝えつつ、プロフェッショナルとは何か、社会や会社に貢献するために自動車メーカーの社員が実行しなければならないことは何か、といったところまで踏み込み、人間力の向上と意識改革の実践を目指すというカリキュラムです。

具体的には講義と課題の提示/フィードバック、グループワーク、課題の作成/提出によってカリキュラムが構成され、1日目にまず「なぜこれが安全運転に必要なのか?」ということを受講者に考えてもらい、その後、テクニカルなことや知識を伝えています。参考までに記すと、今回の受講生は103名、それをAMまでのグループに分けて講義を行いました。

課題の作成/提出を経て、2日目に再び課題の取り組み方を受講生に学習してもらいますが、この段階でも考えることやこれからやらないといけないことがある、ということを学んでもらい、3日目の太田校長の講義を聴くと、より深い意識層で自分のものになるというスキームになっています。最終日はまとめ講義です。

課題は「VOICE課題」として捉えていますが、安全運転に対するあるべき姿を文言にしたもの=VISIONを講義やレッスン時に校長が提示(受講者がインプット)し、そのVISIONに基づき、日々の業務における、たとえばヒヤリ・ハット防止等のために得た気づきを記述した文章=VOICEを講義やレッスン後、または継続的に受講者が作成(アウトプット)していく。そうすることにより、社員ひとりひとりの意識改革を進めていきます。

意識改革は、事故を減らすためには重要なキーワードです。交通事故の9割はヒューマン・エラーが原因だと言われており、自動車の安全技術がいくら進歩しても、ドライバーの安全に対する意識を上げないと事故は減りません。自動車の技術向上よりも先に、運転者ひとりひとりの意識改革が必要だといえ、つまり人間力を高めることが重要です。

SUBARU VV 安全運転推進研修」の受講者によると、独自の「VV教育メソッド」は、自身をひとりのドライバーとして捉えると安全運転の推進につながり、クルマの開発者としての立場ではモノづくりに活かすことができ、社員としては日頃の業務にも役立つと評価していただいています。

(V&Vコンサルタント・研修講師:吉井)