2019年5月7日8日『injured ZEROプロジェクト V&V安全運転推進研修 with VOLVO(国土交通省事故防止対策支援推進事業カリキュラム)』開催レポート

2019.06.09

【日時】2019年5月7日(火)8日(水)
【場所】大磯ロングビーチ 第一駐車場
【主催】(株)スポーツドライビングジャパン

 去る5月7日(火)8日(水)に株式会社スポーツドライビングジャパン(以下、SDJ)が『injured ZEROプロジェクト V&V安全運転推進研修 with VOLVO(国土交通省事故防止対策支援推進事業カリキュラム』を実施しました。

 SDJでは、事故ゼロを目指すinjured ZEROプロジェクトの一環として、幾多のトップカテゴリー・レースで活躍したレーシングドライバー/自動車評論家の太田哲也校長のもと、人間力を高めることができる独自の教育カリキュラムであるV&Vメソッドを提供しています。

 V&VメソッドのV&Vとは、Vision&Voiceの略です。Visionは安全運転に対するあるべき姿を文言にしたもの(講義やレッスン時にSDJが提示=input)を、Voiceは、このVisionに基づき、日々の業務において、たとえばヒヤリ・ハット防止等のために得た気づきを記述した文章(講義やレッスン後に受講者が作成=output)を指します。

 V&Vメソッドは、一般ユーザー向けにはもちろん、自動車メーカーの社員教育としても活用され、そこで提示されるVisionは、太田校長がプロフェッショナル・レーシングドライバーとして、極限状態での経験で得た知識や技能、また、社会復帰可能性4%と言われた大事故からの社会復帰という稀有な経験を踏まえて、プロフェッショナルとは何か、いかに社会や会社に貢献するか等にまで踏み込んだ内容となっています。

 ボルボ・カー・ジャパン直営店の全スタッフ(セールスのみならずメカニックも含む。いわゆるブランド・アンバサダーたち約200名)が受講者となった今回は、V&Vガイダンス、太田校長のよる三部構成のレクチャー、実技レッスン(まさかのアクシデントを想定した荷重移動によるスラロームおよび水を撒いた路面でのフルブレーキング)、講師同乗走行などが実施されました。

 太田校長のよるレクチャーでは、Visionという言葉で置きかえることができる安全運転講義(input=太田校長の経験を擬似体験)に基づくVoiceの整理(output=自分なりの答えを出す)をその都度実施し、受講者は素早く解決策を導き出す力を身につけました(実際の仕事の現場では、素早く解決策を導き出しつつ、それを速やかに実行する行動力が求められます)。

 Voice課題に取り組むことで、問題点を自分で見つけ、自らの手で改善点を探っていく術(解決方法やスキーム)を養うことができます。また、同じ課題に取り組んだことによってチームワークが生まれ、各店舗に戻ったときに当教育カリキュラムで学んだことがすぐさま役立つといえます。仲間と協力して実践的な行動をとることの重要性を知ったプロフェッショナルは企業にとって強力な戦力になるので、この点も『V&Vメソッド』が自動車メーカーから高く評価されているポイントのひとつとなっています。

 さらに、V40やV60といった教習車での実技レッスンでは、クローズドコースだからこそ試すことができるさまざまな操作の実際に行い、VOLVOの安全性に対する総合的なアプローチである『インテリセーフ』の実力(安全性の高さ)を身をもって再確認しました。ボルボをお求めになるお客さまに自分で体験したことを自分の言葉で説明できるので、この点もブランド・アンバサダーにとってアドバンテージポイントになるといえます。

 自動車事故はもちろん誰もが起こしてはいけないものです。さらに加害者となった場合には社会に与える影響が非常に大きくなってしまいます。ましてや最近はSNSの発達により、本人はもちろん、ブランド全体のイメージや信用まで落とすことになりかねません。特に、自動車に関係する仕事に就いている人は加害事故にも被害事故にもなることなく、その交通マナーは人々の見本とならないといけないわけです。

 交通事故の9割はヒューマンエラーが原因だと言われています。つまり、自動車の安全技術がいくら進歩しても、ドライバーの安全に対する意識を高めなければ事故は減らすことはできません。意識改革は、事故を減らすための重要なキーワードになるといえます。運転技術以前に、運転者一人ひとりの意識改革や人間力の向上が重要なのです。SDJのV&Vメソッドでは、こうした意識改革や人間力の向上を実現することによってヒューマンエラーをなくし、事故を防止します。太田校長は現役時代は自動車メーカーのワークスドライバーでしたが、当時のドライバー教育において「公道で事故を起こしたら情報が拡散されて職を失う」という厳しい教えのもと、「プロ意識=責任感」を貫いてきました。コンプライアンス重視が強く求められる現代の企業にとって「人間力」や「安全意識」を社員に浸透させることは必須だといえます。

 V&Vメソッドを継続的に実行することで、受動的ではなく、能動的に自ら安全運転の方法を考える力がつきます。修了式にて太田校長は「皆さんの安全運転がそのままボルボは安全であるというブランドイメージにつながります。今日体験したことを家に帰ってからもう一度思い出し、クルマがどのように動いたのかをもう一度考え、実際の運転時に役立てることが大事です」とコメントしました。

 実技レッスンを担当した齋藤講師は「クローズドコースだからこそ試すことができる、きょうのような体験をしておくことが大事です。皆さんが販売しているボルボという安全なクルマがいかに優れているのかをお客さまに伝えてほしい」と話しました。

 ボルボ・カー・ジャパン株式会社のマネージングディレクターである甘粕さんは「太田校長のV&V安全運転推進研修は、ドライビングスキルのアップだけでなく、人間力の向上にもつながります。受け身ではなく能動的に行動し、V&Vメソッドで学んだ思考方法を今日の1回だけではなく継続的に行ってください」と直営店の全スタッフに語りかけました。

 そして、ボルボ・カー・ジャパン株式会社の代表取締役社長である木村さんは「お客さまにとって、販売や整備の最前線にいる皆さんがボルボの顔になっています。公道ではできない走りを体験し、自分たちが売っているクルマの良さが分かったと思います。みんなで一緒に貴重な経験をしたことで、チームワークも生まれたと思います。同じ経験をした仲間として、これからもスタッフのひとりひとりがMr.VOLVO、Ms.VOLVOとしての自覚を持ち、各店舗でお客さまを全力でサポートしてください」という言葉をボルボの顔となっているブランド・アンバサダーたちに伝えました。